botanical days

薫風何処来
吹我庭前樹
啼鳥愛繁陰
飛来不飛去


薫風 何処よりか来たる
我が庭前の樹を吹く
啼鳥 繁陰を愛し
飛び来たりて飛び去らず

風の強い日々が続き、庭木は少し風の勢いに疲れているようだ。
春先に、木桃の樹がうちにやってきた。
けれど我が家の庭は、コンクリートに穴を開けただけの、ちょっと大きめの金魚すくいの盥くらいの大きさしかなく、しかもいざ植えようとして判ったことなのだが、深さ20センチ程しかなかったのだった。
困り果ててしばらく鉢植えのまま庭先に置いておいたら、ほんの2,3日で木桃は全身真っ茶色になってしまった。その頃は春風が強く乾燥もしていたから、木桃にとっては過酷な環境だったのだろう。
それを見た私は、木桃をとても不憫に思い、枝を撫でた。
まだ生きているのだろうか、このまま植えて、また元気な姿に戻るのだろうか。
まずは、彼女(桃は雄木と雌木に分かれており、雄の木桃はまだ小さく植えることができたので、元気であった)がすっかり枯れてしまったのかどうかを調べた。
調べる方法は、枝を折って見て、内側が白っぽく水気があればまだ生きているのだというので、彼女をそっと折って見た。するとその枝の内側は水気があり、黄緑っぽくもあった。
これなら息を吹き返すだろうかと考え、庭周りをブロック塀のような囲いをつくり土を足して彼女を植えた。
1ヶ月ほど経つと、彼女は小さな新芽をたくさんつけはじめた。
ダメな子ほど可愛い、というのはこの場合の例えとしては間違っているが、枯れてしまったと思った草木が息を吹き返すと、それに対して強い愛情を抱くような気がする。
繁陰にやってきた鳥が彼女の枝で羽を休め、飛び去るのを惜しんでいるような眺めを窓辺から眺めることができるほどに、成長して葉が生い茂るのが楽しみである。


于謙:明代の清官。1398年(洪武三十一年)~1457年(天順元年)。字は廷益。号して節庵。錢塘(現・浙江省杭州)の人。

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Milch Inc.LLC は「暮らしをデザインする」をモットーに、2015年に設立。 BOTANICAL ITEMを制作販売するブランドMILCH<ミルヒ>と、LIFE STYLE ITEMを取り扱うMILCH/02<ミルヒ/02>を運営しています。     ロゴはMILCHの誕生日である3月25日の花[アルストロメリア]をモチーフにしてデザインしています。